よくある質問

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死亡した人の「出生から死亡までの戸籍」とは、どういう意味で、なぜ必要なのですか?

戸籍はいろいろな要因で新たに編製されます。結婚して新たな戸籍を編製した場合はもちろん、他の市町村に転籍したときや、また法律の改正で作り変えられたりもします。

例を挙げますと、戦前生まれの男性の場合なら、以下のような5種類の戸籍となるパターンが多くみられます。

  ① 出生時 → 祖父の戸籍に入籍(戦前は家督制で、親子3代とも同じ戸籍)

  ② 戸主たる祖父の死亡時 → 父親へ家督相続がなされ、再編製

  ③ 結婚時 → 新たに自分の戸籍を編製したが、本籍はとりあえず父親の戸籍と同じ

  ④ 転籍時 → マイホームを構え、そこを本籍に

  ⑤ 法律改正で戸籍が電算化され、再編製(各自治体ごとに、平成11年頃から随時実施)

「出生から死亡まで」とは、この場合なら、上記①~⑤の戸籍をすべてそろえるということです。(呼び方は、③除籍、④原(はら)戸籍、⑤現在戸籍、といいます)

では次に、なぜ「そのすべてが必要なのか」ということについてです。

現在の戸籍(上記⑤)には、自分の結婚暦や自分の子供が誰かなどの遍歴がすべて記載してあると思っている人が多いのですが、実はそうではなく、「過去の戸籍の時代に除籍した人は記載されない」のです。

よって、④の時代に離婚していたり、子供が結婚して除籍になっていたら、⑤の戸籍には記載されません。ということは、その人の子供が誰かを確定させるには、①~⑤すべて(厳密には子供を作れるようになる10歳頃以降)が必要となります。

「子供が誰かなんて、調べるまでもなくわかりきっている」としても、客観的にそれを証明するには、すべての戸籍をそろえるしかないのです。

実際の案件でも、離婚歴がある亡くなった夫から「前婚時代に子供はいなかった」と聞いていたのに、調べたら実は子供がいた、ということもありました。

すべてをもれなく(わずかな期間でも、空白期間があってはいけません)そろえるのは、なかなか大変ですが、ご自分でそろえるという方でも、遠慮なくご相談ください。

 

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